陶器と磁器の違い、使い分けと手入れ

陶器と磁器、両器をあまり意識せず、両器のような質感をしているものを陶磁器や焼き物と呼んだり、用途に合わせてメーカー推奨の使い方でこれらの製品を選ばれている方は多いと思います。
もちろん間違えてはいませんが、日常生活に欠かせない陶磁器、それぞれの違いと特性を理解し、適切な扱い方を知ることで、暮らしがより楽しくなるのではないか。
そう思い、陶器と磁器についてまとめてみました。

陶器
萩焼 萩城窯
原料の違い
陶器も磁器も、どれも主に粘土(ねんど)、長石(ちょうせき)、珪石(けいせき)と、その他の原料からできています。陶器は柔らかく可塑性の高い土由来の粘土が原料の5割ほどを占めるのに対して、磁器は可塑性の低い陶石由来の粘土が原料の3割くらいを占めています。それ故、陶器は「土もの」、磁器は「石もの」と言われています。
また、原料の可塑性の違いで、形を作る時、崩れないため陶器は分厚く作られ、こしがある磁器原料は形が崩れにくく、薄く作ることができます。
焼き温度の違い
陶器は一般的に1200度以下で焼成されます。原料に粘土の割合が高いため、素地は荒く、表面に目に見えない小さい穴が至る所にあり、吸水性があります。
磁器はより高温の12001400度で焼きますが、高温で原料の粘土は引き締まり、珪石と長石が結びつき、ガラスになります。焼きあがった磁器は吸水性がなく、表面はガラスのようなつるつるした触感があります。
特性と使い分け
陶器は分厚いものが多く、中に微細な穴があるため、熱伝導が遅く、器に熱いものを入れて持ちあげても苦労しません。また、熱しにくい一方、冷めにくく、鍋料理やビビンバなどの調理で陶器が活躍してくれます。
また、冷菜皿、冷やしそばのつゆ入れなどを磁器にすると、食材の温度が伝わってくるのもとてもいいです。また、より硬い磁器は、ナイフとフォークを使う洋食に向いています。

お手入れ
陶器は水を吸うため、釉薬(うわぐすり)のコーティングされていないものに調味料や油の多い料理を長時間入れるとシミになる恐れがあります。使用後はできるだけ早く中性洗剤で洗い、漂白剤の使用はやめましょう。一方、磁器は吸水しないため、汚れはスッと落とすことができます。

また、陶磁器は電子レンジで使えると思う方が多いかもしれません。間違いではありませんが、陶磁器は急に熱したり冷やしたりすることに弱く、電子レンジでの使用を繰り返すと割れる原因となります。塗装が施されてあるものの場合、コーティングの劣化が進み、さらに金彩や銀彩の陶磁器をレンジに入れると引火の恐れもあります。電子レンジに入れる場合は、商品ラベルの対応状況をよく確認しましょう。

それぞれの特徴:まとめ

 

陶器

磁器

原料

粘土(土由来)、珪石、長石

粘土(石由来)、珪石、長石

焼成温度

1200度以下

1200~1400

吸水率

10%

0%

質感

ザラザラ

ツルツル

透明度

透光しない

透光する

熱伝導率

熱しにくく、冷めにくい

熱しやすく、冷めやすい

硬度

磁器より柔らかい

硬い

叩いたときの音 鈍い、低い 鋭い、高い
おすすめの陶磁器メーカー
1.ノリタケ
1904年(明治37年)に日本陶器合名会社として創業され、今日に至っても、世界トップレベルの陶磁器メーカー。また、日本陶器合名会社は、ノリタケ以外に、大倉陶園という高級洋食ブランドも展開している。
2.香蘭社
300年以上の歴史を誇る有田焼の老舗。食器全般や花瓶などのインテリア小物をラインアップしています。

3.マイセン
ドイツのマイセン地方で生産される磁器の名称。東洋から来た白磁器は17世紀ごろ、西洋では憧れの逸品でした。ヨーロッパで初めて硬質磁器の生産を成功したのがこのドイツの名窯マイセンです。

4.ロイヤルコペンハーゲン
デンマークの陶磁器メーカー。当時はデンマークの王室御用達窯として設立されました。繊細且つ美しい作品で世界中の王室や上流階級から信頼を集めました。中、「フローラ・ダニカ植物図鑑」の植物を絵付けされ、同じ柄が存在しないフローラ・ダニカシリーズは不朽の名作と謳われています。
弊社は上記のブランド以外、国内外のブランド食器の販売と買取もしております。不要なものがございましたら、ぜひNISHIKINOにお売りいただけると存じます。

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